【掲示板news】9月の掲示板の言葉

9月の掲示板の言葉は、こちらです。「この世は、最低というには魅力的すぎる」

皆さんは、「チ。地球の運動について」を読まれましたか?また、アニメでご覧になりましたか?

※写真は六本木ヒルズにて開催された東京シティビューの様子

地動説と天動説をテーマに、命を懸けて何を護るのか、その人生観や宗教観を描いた漫画です。魚豊さんという新進気鋭の漫画家によって書かれた名作です。魚豊さんは1997年生まれです。他にも、100m走をテーマにした「ひゃくえむ」や、陰謀論をテーマにした「ようこそFACTへ」という漫画を描いています。人間が信じることや、疑うこと、その奥にある感覚を鋭く観察している方です。

上宮寺では、月に1度「宗教・信仰に触れる会」という、我々の人生観やその奥底にある宗教観を考える対話の場を続けています。先月と先々月は、「チ。」や、魚豊作品をテーマにしました。

「チ。」にこんな言葉が登場するのです。「この世は、最低というには魅力的すぎる」

格好良すぎますね。再度聞いてもしびれます。命よりも大切なものに出会ったひとだからこその、この発言だと思います。作品内だと、C教という名前でキリスト教が登場し、その常識に反するものは命さえ奪われていくのですが、それでも地動説の美しさに感動し承け伝え続けた人たちの物語です。その中の一人、ヨレンタという女性の言葉です。

仏教において、この世は苦しみの世界という前提は外せません。火事のような、火宅無常の世界。移り変わっていくこの命は、思い通りにはいかず、その事実に翻弄されて苦しむのが人間であると言われます。その代表例が「生老病死」の現実です。自分の都合で世界は動きません。しかし思い通りにしようという煩悩から逃れられない我々がいることが、前提です。

これを乗り越える道を、仏道と言います。仏教は全て、仏さまになることを目指す教えです。浄土真宗は、どんな者も決して見捨てられない、平等な救いの目当てであるということを大切にします。それは、悟ろうとも思わない、悟りたいとも思わないこの命こそを、阿弥陀様は目当てにしたというお経典を根本に据えるからです。

その苦しみの中にあって、浄土真宗に出会う人も、同じ感情を持ってきたのではないかと私は思います。このブログで取り上げてきた、才市さんも同じです。(参照ブログ「才市と風邪について」)

もちろん苦しい。もちろん泣くこともある。しかし、「この世は、最低というには魅力的すぎる」このご法義に会える人生は、魅力的すぎる。そう言える人生は、仕合わせではありませんか?

この9月は、お彼岸という、浄土を仰ぐ期間だからこそ、この言葉を選定してみました。



【ミズキコーナー📰】

続いて、上宮寺スペシャルボードアドバイザー、ミズキ氏のコメントを頂きます。

人生には、思い通りにならないことや、傷つくこともある。

それでも、大切な人と過ごす時間。
夢中になれるものに出会うこと。
何気ない一日が、大切な思い出になること。
そんな瞬間がある。

だから、この世を「最低」と言い切るには、少し魅力的すぎる。

綺麗事だけじゃなく
苦しさも、くだらなさも含めて
それでも、生きるのも悪くないと思える。

最低な部分を知っていても、嫌いになれない。

そんな、少し不器用な人生肯定の言葉で、
身近にあるそんな瞬間に気づけるか、気づけないかで、同じ人生でも物事の捉え方はきっと変わってくる。

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